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2019/09/19

退院してから1週間過ぎ・・・


退院してから1週間が過ぎた。
主治医A先生より、「1週間は激しい運動は避けて下さい」と言われ退院したが、あの状態で激しい運動が出来る人は命知らずの鉄人くらいだろう。
カテーテルを入れた右手首や右首は痛むし、特に右足の付け根に関しては、かばうように小さい歩幅でしか歩けない。
たった4日間の入院であったが、全身麻酔で心臓手術をしたのだから体力低下などの侵襲はそれなりにある。
この1週間、最低限の家事と心を込めての夕食作り以外は、ひたすらウダウダしていた。

それでも「日にち薬」とはよく言ったもので、1週間も経てば体のそこかしこの痛みはすっかり消え、まるで手術なんて無かったかのよう。
心臓は規則正しくリズムを刻み、不安定だった血圧は低めに安定している。
暴君が住み着いていた私の心臓は、優等生ハーツに生まれ変わったのだ。

夜中に自分の心臓の動きで体が振動し、「地震!」と思い目を覚ましたことなど何回もある。
時・場所を選ばず頻発するトリガー不明の発作に怯えていた日々。
しかし、このように自覚症状があったから救われたのだ。
人によっては気づかぬまま病状が進行し、心臓に出来た血栓で心原性脳梗塞を発症する。
よく例に出されるのは長嶋茂雄さんや、サッカーのオシム監督。
心臓で形成される血栓は、胡桃大の大きさになるというのだから恐ろしい。
その血栓が太い血管を詰まらせ、その先の組織を壊死させるのだから重い後遺症が残るのは当然だろう。

長嶋茂雄さんは人間ドックで異常を指摘されたことはなかったらしい。
私も毎年の検診で心電図は異常なし、今年の6月の検診でもそう。
発作が起きていないときは正常な波形だから・・・。

でも今回、心臓が思いっきり暴れてくれたおかげで受診しようと思えた。
控えめな発作だったら、更年期のせいか?と自己判断し「救心」を飲んでごまかしてたかも。
そのうち血栓が頭に飛んで、人生が変わっていたかもしれない。

あぁ、助かった・・・。
思いっきり自己アピールしてくれた心臓に感謝。
自分の心臓が愛おしい。


今日は1週間後検診で受診。
主治医A先生に、「まだ安心しないで、術後3ヶ月は経過をみないとわかりませんからね」と言われた。
次回は1ヶ月後に診察。
まだ血栓を予防する薬を内服しているし、転んで怪我をしないよう気をつけよう。



皆様も体調に変化があった時には、自己判断せず体の悲鳴をきいてあげて下さいね。









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2019/09/13

入院3日目、翌日退院そして治療費のこと


入院3日目

朝7時頃、看護師さんが来てくれて点滴が終了し、尿道カテーテルが抜けた。
何か異常があったときのために点滴の針はそのまま残してあるが、かなり身軽になり開放感でいっぱいだ。
歩行も許可され、右足の付け根に痛みはあるものの、ゆっくり自分で体を拭いたり着替えたりする事が出来た。

前日気になってた深呼吸時の胸と背部の圧迫感は消えていてひと安心。
37度少しの微熱はあったが心臓が火傷した状態なのだから当然のこと、微熱程度で済んでいるのがうれしい。

胸のレントゲンと心電図を撮った以外は本を読んだりしてのんびり過ごす。

A先生は朝と夕方に診察に来てくれた。
特に夕方はオペ着の上に長白衣を羽織って颯爽と登場という、白衣好きにはたまらない出で立ちだった。
(この良さはわかる人にはわかっていただけると思う)
退院するのが少しだけ惜しくなる。




そして退院日

この日の朝、病室の窓からは美しい朝焼け。

女性の臨床工学技士さんが来て右脚付け根の圧迫を外してくれた。
左の腹部から右の太ももにかけてテーピングされていたものが取れ、脚が軽くなった感じ。
付け根周辺から太ももにかけて内出血し、カテーテルを入れた3カ所の穴が美しく並んでいる。
引き続き看護師さんが来て点滴の針を抜いてくれた。
退院できるという実感が湧く。

朝食を終え、退院の身支度を済ませているとA先生がいらして診察。
改めてお礼の気持ちを伝える。
先生もリラックスした雰囲気で、私も冠動脈造影の際心房粗動がひどくてモニターに映った心電図の波形がサメの歯のようで恐ろしくなった事など話ししばし歓談。
今後は、最初にかかったクリニックに先生も週1回いらしているので、そこでフォローして頂く事にする。
「来週、またお会いしましょう!」と、最後の去り方もカッコイイ。

最終的にもう一度心電図を撮り、夫の迎えがあり退院。




お会計

病院によって若干の違いはあると思うが
カテーテルアブレーションで心房細動と心房粗動の治療、3泊4日入院の治療費は約275万円+差額ベッド代と食事代。
3割負担の場合は82万5千円+差額ベッド代と食事代を窓口で支払う事となる。
後で高額医療費制度を利用すれば一定額以上は戻ってくる。
しかし、今回入院するまで余裕があったので、健保組合に限度額適用認定証の発行を申請し入院時に提示したため、支払額は10万5千円+差額ベッド代と食事代となった。
日本人で良かったと安心すると共に、健保が財源不足になるのもわかる気がする。
これからはお給料から天引きされている健康保険に関して、不満の気持ちを持ったりしない。




以上が今回の入院のまとめ。
人の暮らしっていつ何が起こるかわかりませんね。
私も小田さんのライブで楽しんでいる頃は、まさか自分がカテアブするとは思っていませんでしたし・・・。
人の心臓は動く回数が決まっていると言われています。
私のように既に人より多く動いてしまってるような人間は、平均寿命まで生きられるかどうか。
自分の今後の生き方を再考する良い機会になりました。



おわり



2019/09/13

カテアブ当日④右脚安静


カテーテルアブレーションを受けるに当たり、主治医のA先生から必要な検査も含めて充分な説明を受けた。
とは言っても細かな不安はあり、解消するために自分でもいろいろ調べた。
カテアブ経験者のブログ・ツイッター、各病院が患者向けに説明しているサイト、医師達が学会で発表した論文(半分くらいしか理解できなかったが・・・)など。
結果、素人なりにかなりの知識を得て治療に臨むことが出来たと思う。

カテアブ経験者がこぞって口にするのは、術後の右脚の安静。
6時間から8時間は絶対動かしてはいけないのだ。



右脚の安静が辛いのは、一般的に後半の2時間くらいではないだろうか。
私は14時30分頃帰室し、20時くらいまでは苦痛を感じることなく過ごすことが出来た。
病院のベッドのマットレスが良質だったのだろうか。
しかし、後半の1時間半はさすがに時間の経つのがとても遅く感じた。
腰に手を入れてみたり、片方の脚を積極的に動かしたり、本やテレビを見て気を紛らわしたりしてなんとかやり過ごした。
21時30分に看護師さんが来て右足付け根の止血状態を確認後、ベッド上なら動かしてもOKの許可が出た時は心底嬉しかった。
あの時の看護師さんは天使に見えた。


それにしても、看護師さん達は皆感じが良かった。
男性看護師の方もチラホラ見かけ、女性優位の職場で頑張れ!と心の中で応援した。
入院生活において看護師さん達が素敵だと本当に救われる。




その夜はほとんど眠れなかった。
全く眠くないのだ。
まあ、日中ほとんど寝ていたようなものだから仕方ないと割り切って、漢方薬のような小田さんの曲をエンドレスで聴いて過ごす。
一番の楽しみは明日の朝、点滴が終了して尿道のカテーテルが抜けること。
心地よい疲労と希望を持って朝を迎えた。


つづく







2019/09/13

カテアブ当日③目覚め


カテアブを局所麻酔で行うか、全身麻酔で行うか。
病院によって違いはあるようだが、私としては寝ているうちに全て終了する全身麻酔で本当に良かったと思う。
入院日が日曜だったので、カテアブ直前に経食道心臓エコーを行い心臓内に血栓がないことを確認してから治療開始。
右足の付け根から3本、右手首と右の首からもそれぞれカテーテルを挿入し心房細動と心房粗動の治療を施行。
開始から約4時間で終了した。




誰かに体を動かされる刺激で目が覚めた。
まだ頭の中がぼんやりしていたが、深い眠りから覚醒したように心地よい。
次第に意識と視点がはっきりしてきて家族の姿を確認する。
夫と息子は既にA先生から治療の結果を聞いており、上手くいったようだと教えてくれた。
息子は「あの先生、朝見た時には若くてちょっとチャラくて大丈夫かよと思ったけど、話を聞いてすごくいい先生っていうことがわかった」と話す。
(そのちょっとのチャラさが、完璧な医師であるA先生にとっての程よい抜け感で、色気の元なんだよ)と、心の中で独りごちる。

夕方には少しだけ食事も摂れ、家族も安心して帰途についた。
嬉しい事に、あんなに違和感ありまくりだった尿道カテーテルが全く気にならなくなっていた。

心臓の機嫌はどうだろう。
いきなり焼かれてビックリしたと思うが、今のところは安静だ。
ただ深呼吸をすると背中と胸に圧迫感があるのが気に掛かる。
右足の付け根はがっちり圧迫固定されている。
右手首も動脈に針を刺したのかプラスチック板で痛いくらいの固定だ。
右の首も絆創膏が貼られ動かすと若干痛みがある。

まずは無事に終わったのだ・・・。

しみじみアクシデントがなかった事に感謝し安堵感に浸っていると
「ハチミツさーん、どお?」とA先生が来て下さった。
裸体を見られたかと思うと恥ずかしい反面、距離がグッと縮まったような、もはや他人ではないような感覚に陥る。
『先生、本当にありがとうございます』というのが精一杯だ。
「いい感じに終わったよ。けっこう心房粗動がバンバン出てきた」
術中は電気刺激で不整脈を起こすのだが、私の心臓は見事にそれに反応し悪の正体を現したのだ。
不整脈が出ることで異常な電気信号を発している箇所が特定でき有効な治療が出来る。
「足を見せて貰いましょうか」と先生が足の付け根の固定部分をチェック。
私としては、もうどこでも見てください状態だ。
異常な出血もなく先生も安心して「じゃあ、また明日!」とお帰りになった。
はあ~、やっぱりカッコイイ。

今日は安心して寝よう。

しかし、その後カテアブ経験者が皆最大の苦痛と叫ぶ「右足絶対安静地獄」に苦しむことになるのだった。


つづく





2019/09/12

カテアブ当日その②メンズだらけ


移送中、視界にあるのは病院の天井だけ。
この状況、前にもあったと思ったが実体験ではなく医療ドラマの患者目線のシーンだったか。
緊張の面持ちで息子と夫も後をついてくる。
いや、実際には表情は見えないのだがきっとそうだったと思う。

カテーテル室に到着し看護師さんが申し送りをしているときに、ふと肩をたたかれ見上げると主治医のA先生。
「ハチミツさん、昨日は眠れた?」と優しい笑顔で語りかけてくれた。
大切な人に会えた喜びと安堵感で涙が出そうになる。



最初にかかったクリニックの医師が「若いけどいい先生だよ」と不整脈専門のA先生を紹介してくれた。
確かに若い、30代だろうか。
典型的な美形ではないけれど雰囲気がかっこ良く微量の色気もある。
頭の回転が速くコミュニケーション能力も高い。
細身の体で身のこなしが軽く、このタイプは指先も器用に違いない。
清潔なイメージだけではない、健全な野心も感じる。
経歴をググると超難関国立大医卒だ、完璧。


カテアブの症例数で言うと、他の病院のオッサン医師の方が多いかもしれないが、私は自分の心臓をA先生にお任せする事を決めた。
その後、発作が頻発し辛くなったため予約外で受診したときも、迅速に対応して頂き手術日を前倒ししてくれた。
もう私の中ではA先生は命を預けた人、すがりつきたいほど大切な人なのだ。

それにしても相変わらずカッコいい。
爽やかな風を残してA先生はカテーテル室の中へ入っていった。

夫と息子は院内だけで通じるPHSを持たされ室外に出された。
緊張していたためか、また周囲の雰囲気に圧倒されたのか「頑張ってね」の一言もなく出て行った。

いよいよ実際治療をする部屋へ移送された。
ざっと見渡すとたくさんの男性達が忙しそうに準備に追われていた。
着ているオペ着が微妙に違い、循環器内科の医師をはじめ、麻酔医やら臨床工学技士・看護師達なのだろう。
手持ち無沙汰にしているのは見学の医師か。
とにかくメンズだらけだ。

手術台に載せられ背中に電極板みたいなものを貼られ、その後はあれよあれよという間に来ているものを全て脱がされた。
手術用のパンツもだ。
(えーー!せっかくの手術用なんだからー!)と思ったが、足の付け根からカテーテルを入れるのだから当然か。
バスタオル1枚かけてあるものの、たくさんのメンズ達の前で全裸で横たわっている無防備な状態。

最初に書いたが、闘病とは羞恥心との戦いだ。
医療系メンズ達にとっては目の前の中年女性の裸体など何の関心も無いだろう。
海辺に打ち上げられた海馬の死骸と同じかもしれない。
仮に熟女好きが紛れ込んでいたとしても、ソレはソレ、コレはコレだ。
あぁ、それにしてもA先生にあちらこちら見られるのだけは・・・!

感情を無にしてしまいたい!

羞恥心がピークに達した時、「麻酔のお薬入れますね」と同時に麻酔医が薬注入。
10秒もしないうちに薄れゆく意識。
体にかけられていたタオルが剥がされるのを感じながら意識を失った。


つづく